心不全 ~自分の心臓をいたわるということ~
心臓の機能は全身の臓器に血液を送り届けるポンプの役割であり、血液に乗せて酸素や栄養を運んでいます。
心臓のポンプが止まってしまえば、人間はたった5秒で意識を失い、約5分で脳が壊死し始めます。心不全とは、心臓が止まるわけではありませんが、『心臓』が『不全』の状態、つまりポンプ機能が低下し、全身に血液を送る力が落ちてしまう『状態』を指します。
ほとんどの心臓の病気は、『心不全』の原因となります。その代表的な心臓病の一つとして、前回お話した『心筋梗塞』があります。
ですが近年、平均寿命が延長し高齢化してきたために違った原因による心不全が増加してきております。それが高血圧性心不全です。
心臓は生まれてから一度も止まることなく働き続けるため、高齢になるほど心臓に負担が蓄積します。その負担をさらに増加する原因となるのが『高血圧』です。高血圧は痛くも痒くもありません。
ですが、血圧が高いということは、血液を送り出す血管内の圧力が高いということ、つまり心臓は高い圧力に打ち勝つ力で頑張って血液を送らなければなりません。
すると心臓に過度に負担がかかり心不全に至るのです。現代医療においてはまだ、簡単に心臓を取り替える治療はありません。
みなさんも健康に長生きするために、一つしかない自分の心臓をいたわることを考えてみませんか?私達、循環器内科の仕事は、心臓にかかる様々な負担を最小限にすることです。いつでもご相談ください。